キャンパスの整備

 東工大では、大学が「キャンパス構想」を検討しているようですが、キャンパスの長期的な整備計画を考えるにあたっては、キャンパスの主な利用者である学生の意見を取り入れることが重要ではないでしょうか。ここでは、「キャンパスに欲しいもの」「講義室のセキュリティ」および「その他の施設に関する要望」について分析を行いました。

 

(1)キャンパスにほしいもの

 リフレッシュのための施設である「レストスペース」と「コンビニエンスストア」が欲しい。

 キャンパスに欲しいものにチェックを入れる設問では、回答者の過半数が「レストスペース」・「コンビニエンスストア」が欲しいと答えていました。また、4 割以上の学生が「シャワールーム」「個人用ロッカー」「レストラン・カフェテリア」が欲しいと回答していました。また、設問3-4gでも、共有スペースや学生会館生協や食堂、運動系施設やシャワー施設といった施設に対する要望を寄せています。

 このように、勉学・研究そのものに必要な施設というよりはむしろ、それらの合間の「リフレッシュ」のために使用する施設の充実を求めている東工大生の姿が読み取れます。

 

 

(2)セキュリティ

 自由記述では、24時間使えなくなった講義室に対して不満の声。一方、セキュリティに対する不安。

 

 施設に対する設問では、24時間使えなくなった講義室に対して不満の声が多数ありました。一方、「その他」の設問に寄せられた回答からは、セキュリティの強化を要望する声も聞かれます。「セキュリティ」と「利便性」とのバランスをとりつつ、メリハリのあるセキュリティ体制を整備することが求められるでしょう。

 

 

(3)施設に関する様々な要望の声

 施設に対する自由記述「その他」の自由記述からは、選択式の設問ではすくい取ることのできない東工大生の「生」の声がわかります。ここでは、施設に関する様々な要望について、その「声」と「取り得る解決策」を示してみます。

 

  • 講義室の不具合
    →調査取りまとめの作業過程で教務課長に「生の声」を伝えました。
  • キャンパス計画に統一感がない
    →統一感のある長期計画を考えて欲しい。
  • 駐輪場は使い勝手が悪い
    →量・質ともに充実した駐輪場を整備して欲しい。
  • 放置自転車
    →「リサイクル」のシステムを整備して欲しい。
  • 使い勝手の悪いエレベータがある
    →改良を求めます。
  • 耐震性に不安のある建物がある
    →建物の改修計画を公開して下さい。
  • 学部学生の居場所がない
    →学生会館・リフレッシュルームを整備して欲しい。
  • 図書館が「溜まり場」になる
    →学部学生の居場所の創出をお願いします。
  • 図書館サービスに対する不満
    →図書館を24時間利用可能にして下さい。
  • 屋外で演奏する音楽サークルがうるさい
    →防音施設を完備したサークル棟の建設を要望します。
  • 新々サークル棟の老朽化・清潔度
    →サークルの特性に合わせた「棲み分け」が必要と考えます。
  • 購買が狭い・少ない
    →コンビニ的な施設を、特に大岡山地区から遠い場所に設置して欲しい。
  • 施設全般への要望
    →様々な要望を伝える機関の創設(ワンストップサービス)
  • 運動施設使用のシステム(個人で使えない等)
    →柔軟な利用システムにして欲しい。
  • 運動施設の改善(グラウンド人工芝化・トラック・トレセン・すずかけの施設)
    →改善をお願いします。
  • 寮の数・場所・使い勝手が悪い
    →大学でアパートを1棟借りて学生寮にする。
  • 大岡山-すずかけ台間の連携がよくない
    →衛星授業などの拡充を望みます。
  • 学内地図の充実
    →喫煙所・人文図書室・公衆電話・無線LAN可能エリアなどを付け加えたMAPを作成して欲しい。
  • わだち
    →舗装・歩者分離を強化して欲しい。
  • (学部生が使う)講義室周辺のトイレ
    →改装を希望します。
  • 女子トイレが少ない
    →増設を希望します。

 

 

(まとめと提言)

 以上の結果から、東工大生は、キャンパス整備について様々な要望を持っていることが分かりました。つきましては、担当部署におかれまして、是非とも下記の施設整備をされることを望みます。

  • レストスペースやコンビニエンスストアなど、勉強や研究の合間の「リフレッシュ」のための施設
  • セキュリティを確保しながらも学生が自由に使える、メリハリのあるセキュリティ体制を持った設備の充実
  • 「小さな改善」の早急な実施

 

このページのトップへ

学勢調査2010のTOPへ

2010 Tokyo Institute of Technology