附属図書館関係

 ここでは附属図書館に寄せられた意見と、関連する定量的データから、以下の6項目に分けて提言を述べていきます。

・図書館サポーター …… 学生による附属図書館のサポートに関して
・蔵書関係 …… 附属図書館内の蔵書面に関して
・施設関係 …… 附属図書館内の施設・設備面に関して
・飲食関係 …… 図書館内での飲食について

 なお、新図書館と関連性が高いと考えられる意見は、そちらの方に記載させて頂きました。また、特に明記しない限り、各提言は大岡山本館とすずかけ台分館の両方への提言となっています。ここでは、特に意見が多かったものや、改善案が考えられるものを記載してあります。それ以外の質問に関しては、図書館ホームページの「よくある質問(FAQ)」(http://topics.libra.titech.ac.jp/cgi-bin/dep/exa/index.cgi)にも詳しく説明がされていますので、ご参照ください。


図書館サポーター

提言概要

 今回の附属図書館に関する提言の中で、この『図書館サポーターの設置』を特に重要度の高いものとして提言します。図書館サポーターは、学生が附属図書館業務の一部を担当・協力する制度です。担当する業務として、以下の様なものが考えられます。

・図書の選定への参加
・附属図書館広報活動への参加
・その他、附属図書館への学生視点での意見取り込み

 これにより、附属図書館の業務に学生の意見を取り入れることで、現在生じている学生と附属図書館との間の様々な認識のずれの克服を目指します。

学生の意見

 今回の調査で附属図書館に関する自由記述に寄せられた意見として、図書館サポーターに関係するものを表 4.2.1-1,2を取り上げます。

表

表 4.2.1-1 附属図書館蔵書の充実に関する自由記述


表

表 4.2.1-2 附属図書館オンライン・サービス利用に関する自由記述


現状分析

 「学生の意見」で示した学生から寄せられた意見に関して、附属図書館のホームページと、附属図書館の職員の方々とのキャンパス・ミーティングにより分かった現在の状況について述べていきます。

 まず蔵書に関して、表4.2.1-1からも分かりますように、学生からは際限なく「広く・深く」要望が寄せられていますが、図書館の物理的スペースは有限であり、すべての要望を実現させることは不可能と考えられます。また、附属図書館ホームページには図書の選定に関して、次の様に説明されています。


 教科書や参考図書といった講義関係の図書については、教員との連携体制が取れており、講義の受講人数により所蔵する冊数も増減させています。また図書選定に関して教員への希望調査を年2回実施しています。ただし、レポートの課題図書など急に需要が高まった図書に関してはすぐに対応することが難しいという現状があります。
 学生からの図書の希望の取り入れに関してはリクエスト・サービスが存在しています。(参照:https://topics.libra.titech.ac.jp/portal/index.php)ただし、図4.2.1-1からも分かりますように、図書のリクエスト・サービスの利用度・認知度が低いことが分かります。図書のリクエスト・サービスの利用数は年200~300件に限られるということです。また、図書1冊1冊の要望の取り入れに関しては、学生と附属図書館との間にルートが存在していますが、「学生にとって本当に必要としているのは、どういった分野の本なのか」といった、図書の分野など、大きな分類での要望の取り入れのルートは確立していないのが現状となっています。

図

図 4.2.1-1 附属図書館オンライン・リクエスト・サービスの利用度・認知度
(出典:http://www.libra.titech.ac.jp/aboutus/pdf/2008questionnaire.pdf)


 次に、附属図書館のオンライン・サービスについて、要望に出されたオンライン・サービスのうち、いくつかはすでに実現されています。東京工業大学ポータルページ、及び附属図書館ホームページからTDLオンライン・リクエストを利用することで、学外からでも図書の貸出延長(但し1回に限る)・予約、グループ学習室の予約などが可能となっています。(参照:https://topics.libra.titech.ac.jp/portal/user.php?plang=jpn)
 これに関して図4.2.1-1を見てみますと、TDLオンライン・リクエスト・サービスの利用度・認知度が分かります。これは図書館HPでのPRが不足しているためと考えられます。
 この様に、オンラインでのサービスが既に存在しているにも関わらず、利用度・認知度が低いことは、サービスの周知方法などに原因があると考えられます。具体的には、附属図書館ホームページ(参照:図4.2.1-2)の階層構造やレイアウトが複雑であるため、どこに求める情報があるのか、またオンライン上でどういったサービスが受けられるのかが利用者に伝わりにくいことや、附属図書館内でのオンライン・サービスの広報不足などが挙げられます。

図

図 4.2.1-2 附属図書館ホームページ


 以上の様な現状を踏まえますと、問題の原因は学生と附属図書館との間のコミュニケーション不足にあると考えられます。これを円滑化するために、附属図書館の業務に主な利用者である学生の声を取り入れる仕組みを設置してはどうかと考えました。その1つとして、「図書館サポーターの設置」を提言致します。

具体的提言

 学生により附属図書館業務の補助を行う「図書館サポーター」を設置し、主な利用者である学生視点の意見を附属図書館に取り込む仕組みを設置することを提言します。具体的には以下のようなものが考えられます。

 附属図書館において、具体的にどういった種類・分野の図書を充実させて欲しいか、図書館サポーターを中心に学生の意見をまとめます。その後、附属図書館側とも話し合わせて頂き、以後の図書の選定方針に学生からの意見としての参考にして貰います。
 また、今回の調査で小説などの希望数が多かったのを受けて、そういった図書が今後本当に必要かどうか、学勢調査などを通じて再調査を行うことも考えられます。

 附属図書館ホームページ改善のために、利用者の視点を取り入れる活動を行います。「学生は何の情報を求めているのか」「学生にとってより意味のある情報は何か」といった情報の内容や、「その情報をどのページで伝えるのか」「効果的なレイアウトはどういったものか」といった情報の伝達方法を利用者ベースに分析し、図書館に提案します。その他、図書館内での各サービスの周知方法を学生視点で提案します。
 これにより、図書館全体のサービスの認知度・利用度を高めることにより、学生にとっての実質的なサービス充実度の向上を目指します。

 後述の学生からの各意見にもありますように、注意喚起など附属図書館から学生への周知が不十分であったり、設置して欲しい設備など学生のニーズを附属図書館が見落としたりしている点が見受けられます。そういったギャップを小さくするために、学生からの意見を図書館側に伝える役割を担います。


蔵書関係




施設関係



図

図 4.2.3-1 利用者別一人用座席の満足度
(出典:http://www.libra.titech.ac.jp/aboutus/pdf/2008questionnaire.pdf)



図

図 4.2.3-2 附属図書館内無線LANエリアへの満足度
(出典:http://www.libra.titech.ac.jp/aboutus/pdf/2008questionnaire.pdf)


図

図 4.2.3-3 附属図書館内電源コンセントへの満足度
(出典:http://www.libra.titech.ac.jp/aboutus/pdf/2008questionnaire.pdf)


図

図 4.2.3-4 附属図書館内無線LAN・電源コンセントエリア
(出典:http://www.libra.titech.ac.jp/jpeg/pcmap.jpg)



図

図 4.2.3-5 附属図書館OPACの利用度
(出典:http://www.libra.titech.ac.jp/aboutus/pdf/2008questionnaire.pdf)




図

図 4.2.3-6 附属図書館コピー機への満足度
(出典:http://www.libra.titech.ac.jp/aboutus/pdf/2008questionnaire.pdf)




図

図 4.2.3-7 附属図書館グループ学習室への満足度
(出典:http://www.libra.titech.ac.jp/aboutus/pdf/2008questionnaire.pdf)





飲食関係


図

図 4.2.4-1 附属図書館内の飲食に関する意見
(出典:http://www.libra.titech.ac.jp/aboutus/pdf/2008questionnaire.pdf)


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