弁当・食堂関係

 本節では弁当・食堂関係として東工大の主に昼食のための環境の充実に関して、以下の2項目に分けて提言を述べていきます。

 ・料理関係 …… 料理の味や値段などについて
 ・施設関係 …… 学内の飲食関連施設について

提言概要

 今回の学勢調査では東工大の食事環境に関して、次のような事情があることが明らかになりました。 ・昼食時の食堂の混雑 ・石川台・緑が丘での飲食施設の不足 ・生協弁当の供給力の限界 ・学生に対する食堂の席数の不足  今回の調査による学生の食事環境に対する不満は無視できない結果が得られ、何か対策を取るべきと考えられます。そこで、学勢調査としては短期的な対策として石川台・緑が丘地区への弁当販売所の設置と、外部または地域の弁当屋の誘致を提言致します。また、長期的には食堂施設の新規設営も視野に入れて頂きたいと考えています。


料理関係

学生の意見と現状分析

 今回の調査において、東工大の食事環境に対して、表 3.1.1-1,2,3,4の様な意見を自由記述欄に寄せられました。また、飲食施設に関する定量的データを、図3.1.1-1,2に示します。

表

表 3.1.1-1 値段に関する自由記述


図

図 3.1.1-1 飲食施設の値段に対する評価


表

表 3.1.1-2 味に関する自由記述


図

図 3.1.1-2 飲食施設の味に対する男女別評価


表

表 3.1.1-3 量に関する自由記述


表

表 3.1.1-4 メニューの多様化に関する自由記述


現状分析

 図 3.1.1-1を見ると、40%以上の学生が値段に対して『あまり適切ではない』と考えており、不満を持つ学生が多いことが分かります。しかし、生協の価格設定の基本は全国単位で決まっており、商品価格を下げるように交渉することは困難とのことです。しかし、生協側も東工大生に適した価格設定をして下さっています。男子学生が約9割を占める東工大は、他大学に比べ生協食堂のメニューの価格を若干高く設定している分、配膳量も多くしているということです。今回の調査結果からは提言は出来ませんが、学生の要望が多ければ他大学と同じ価格・量に設定することも可能ということです。

 学食メニューの味に対しては、自由記述欄においてかなり厳しい意見がよせられました。しかし、図 3.1.1-2を見ると、味に関して「美味しくない」「あまり美味しくない」と答えたのは、2~3割程度に留まっています。また、男性に比べ女性の方が味に関して満足度が高いというデータが取れました。このことから、生協食堂の料理に関しては満足度が低くはないことが分かります。

 メニューの多様化についても意見が寄せられましたが、これについても困難と考えられます。日替わり定食については、生協の施設面から一度に扱える食品数はある程度限られており、日替わり定食を導入する場合には扱える商品数を減らさざるをえないということです。生協側としては、学生が自主的にメインやサイドメニューを選ぶことで、日替わりに近い状態を実現させようとしているということです。また、メニューの多様化は料理提供までのステップの多様化にもつながり、現状よりも提供までの時間がかかり、結果的に「3.1.2 施設関係」でも述べる食堂の混雑の悪化が予想されます。

具体的提言

 調査の結果として、不満が高めである価格・量について同時に改善することは困難となりました。その一方で、東工大生向けに価格・量設定をしているという生協側の配慮も明らかになりました。
 これに対して、

・他大学と同じ価格に引き下げ、代わりに量を減らす
・現状通り(他大学より量を多くし、価格を若干高め)に設定する

のどちらが現在の東工大生に合っているのか、と言ったことを中心に、生協食堂の料理や生協弁当についてどういったものが東工大生に最適なのか、全学的に追加調査を行うことを提言とします。

 「料理を美味しくしてほしい」という意見について、先述のように味に対する満足度がそれほど低くなく、改善するとなると値段や量にも影響が出ると考えられます。一方で、料理の味や量に関して一定化し切れていないことに対して不満があります。そこで、今回の学勢調査では生協食堂料理の品質の一定化をお願いします。
 現在、生協には「声のカード」により、学生の意見を取り入れています。ただ、あくまでこれは投稿者の個人的意見ですので、声のカードをもとに生協食堂全体を変えるということはできませんが、例えば、個々の料理の品質が極端に変わった際に、学生からのフィードバック機能として声のカード利用することを提言します。


施設関係

学生の意見

 今回の調査で、東工大の飲食施設に対する自由記述に寄せられた意見を、表 3.1.2-1,2,3,4に示します。同様に、飲食施設の設備に関する定量的データを、図3.1.2-1に示します。

表

表 3.1.2-1 食堂の混雑に関する自由記述


図

図 3.1.2-1 学生の活動場所別の飲食施設の設備面に対する評価


表

表 3.1.2-2 営業時間に関する自由記述


表

表 3.1.2-3 食堂新設に関する自由記述


表

表 3.1.2-4 弁当の外部参入に関する自由記述


現状分析

 生協の混雑に対する自由記述は50件にも昇りました。これはかなり要望のある意見であり、また生協自身も頭を抱えている問題ということです。これに対する解決方針としては以下の4つが考えられ、これらについて考察を行います。

1. 料理提供の迅速化
 生協側では現状でかなり限界に近い程度まで対応して下さっています。少なくとも第一食堂においては、提供を迅速化しても席の確保等が難しく問題解決へは繋がりにくいと考えられます。

2. 飲食エリアの拡大
 現状の食堂を増改築することはスペース的に困難と考えられます。

3. 学生の回転率の向上
 学生に対し素早く昼食を食べ、すぐに席を空けることを促すことで実現可能ですが、かえってフラストレーションがたまり、不満解消にはならないと考えられます。

4. 飲食利用以外の生徒の分散
 リフレッシュ・ルームや一般開放の教室、新図書館などの施設に生徒を移動させ、分散させるという解決策は考えられます。

 学生食堂にて言及します。

 過去に石川台・緑が丘地区にも外部飲食店の誘致を大学側でも考えた経緯があるということです。しかし、コンビニ一軒での見込顧客数が3000人程度必要なのに対して、石川台1300人、緑が丘500人程度しか望めないため、採算が取れないという理由で、出店に対し手を挙げた企業はなかったということです。

 石川台・緑が丘・大岡山南地区などは、昼休み開始後すぐに生協の弁当が売り切れ、食堂や他の弁当販売所に行くにも距離が遠く、購入が難しいと感じている学生がいるようです。加えて、2コマ目の講義途中に抜け出して先に購入するという悪循環も起こっています。また、弁当を外に買いに行かざるを得なく、その際に南1号館横の通路を利用するという問題に発展していると考えられます。これは南商店街の弁当屋付近が学生や自転車で溢れ、交通や近隣住民の迷惑にもなっていると考えられます。
 これに対し、生協は前年度に比べ弁当の生産を伸ばす努力をされていますが、それでも学生の需要に追いついていません。賞味期限時間の制約を考えると弁当制作を現在より早めることは難しく、第1食堂のみの生産ではこれ以上の弁当供給は困難なようです。

具体的提言

 昼食時の食堂混雑緩和のために、生協食堂以外の飲食施設の利用を促します。例えば、リフレッシュ・ルームや一般開放の教室、百年記念館や新図書館などが飲食をするためのスペースとして挙げられますが、リフレッシュ・ルームは各学科の管轄になっており、広くは知られていないほか、百年記念館などは学生からは学生同士のコミュニティ・スペースとしての認識度が低いようです。これに対し、生協食堂のポップや電子掲示板によりスペースの周知を行うほか、各スペース近くで弁当の販売を行い、スペースの有効利用を促します。

 現状分析にて示しましたように、生協食堂や生協弁当だけでは東工大の昼食の需要を賄いきれていない状況にあり、石川台・緑が丘地区からは学生から不満の声も挙がっています。そこで、学勢調査からは石川台・緑が丘地区に弁当販売所の設置とともに、外部または地域の弁当屋の誘致を提案致します。
 これに対し、学生支援課からも、「学生からの要望次第では外部または地域の弁当屋の誘致も実現可能」と伺いました。また、この問題に付随して生じている先述のような地域に対しての迷惑問題を解消出来る他、地域の弁当屋を構内に出店させることは大学の地域貢献にもつながります。

 以上の様なことから、東工大の昼食環境の向上と地域貢献のために、外部または地域の弁当屋の誘致を提言します。

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2010 Tokyo Institute of Technology