1.  学勢調査概要

1.1  概要

調査目的及び沿革

学勢調査は、本学における教育改善や施設建設・整備、学内サービス向上と言った大学の事業に学生の声を取り入れ、本学をより魅力ある大学とすることを目的とした全学的アンケート調査です。学勢調査は本学独自の取り組みであり、国勢調査になぞらえて、「学勢調査」と名付けられました。学勢調査は、2004年の試行を経て、2005年より本格実施となり、学生が分析と提言を行うシステムとなりました。今回の学勢調査2010はこのシステムとなってから3回目となり、過去2回の調査ではいずれも学生の意見を大学側に伝える大きな役割を果たしています。

今回行われた学勢調査(以下、「本学勢調査」と記します)の回答者数は、2005年度の学勢調査に比べ2倍になり、これまで行われた学勢調査と比較して最も多くなりました。(学部生4850名、修士課程3484名、博士課程1524名、全学9588名に対し、回答者計2343名)(図1-1)。特に本学勢調査では、留学生への広報等を強化したことにより、留学生の回答者数が大幅に増加しました。

図1-1学勢調査回答者数の推移


  一般的な学生生活調査は、おもに大学の教職員によって、学生の生活や意見を調査し、報告した後、大学事業へ反映されます。この方法では、大学側が学生の意見や動向を正確に把握しないまま、新規のサービスや施設を導入するので、大学側の提供するサービスが学生の要望に応えていない場合があります。一方、本学の学勢調査では、調査に加え、調査内容の設計から具体的な改善案の作成まで学生スタッフが行います。前者に比べ、調査結果と改善案の繋がりが強化しているため、より正確に大学側が学生の要望に応じたサービスを提供することができます。これまでの具体的な実績としては、講義室改修、電子掲示板設置、リフレッシュ・ルーム拡充、コンビニエンス・ストア出店が挙げられます。また、教職員の意識改革も進みつつあり、教職員と学生のすれ違いや不満足を解消する役割を果たしつつあります。

学勢調査における、大学、学生、学勢調査とスタッフの役割関係図を図1-2に示します。

 

図1-2 大学、学生、学勢調査とスタッフの役割関係

                 
調査母体

教育推進室学勢調査WG(主査:岡村哲至教授)が、学生支援GPの協力を得て実施しました。

 

調査時期

 本学勢調査は、2010101日~同年1031日に行われました。

 

調査対象

 本学勢調査は、本学に在籍している学部、修士、博士学生を対象としました。

 

調査事項

 「調査資料集(P.142P.189)」に掲載しましたので、そちらをご参照ください。また、今回の調査では、本学学生のより生の声を取り入れるために、自由記述欄を多く設定しております。

 

調査方法

 本学勢調査は、オンライン上に設置した専用調査ページを通じて実施しました。その際、回答者が、本学学生であることの確認として、学外からのアクセスに対しては本学学生でない場合は知り得ないと考えられる質問を行い、正解者のみ調査への回答を可能としました。

 

分析方法

アンケートによる調査データは項目ごとに分類し、調査と同時に募集した学生スタッフがデータ分析、問題発見、原因分析、改善策議論を行いました。学生スタッフの各班とその担当範囲は以下の通りです。

 

リーダー班  …… 全体の進捗状況管理

生活班    …… 本学学生の生活基盤について

学習班    …… 本学学生の学習状況について

図書館班   …… 本学附属図書館について

施設班    …… 本学の各種施設について

サービス班  …… 本学の各種サービスについて

生協班    …… 本学生協について

その他班   …… 上記班以外の意見、及び学勢調査について

 

 


 

全体会議の記録

2010年 11月  4日(木) 学勢調査の説明・スタッフ顔合わせ

2010年 11月 15日(月) 学勢調査の説明・班分け

2010年 12月  2日(木) 定量・定性データ分析途中報告

2010年 12月 16日(木) キャンパスミーティングの準備

2011年  1月  5日(水)  キャンパスミーティングの準備

2011年  1月 24日(月) 提言素案の途中報告

2011年  2月  3日(木) 全学規模の議題・規模の大きい議題の決定

 

 全体会議以外に、適宜各班ごとに会議を行いました。

 

 

教職員の方の意見の取り入れ

 提言案を作成するにあたり、キャンパスミーティングとメールによる質問を行いました。キャンパス・ミーティングとは、調査データを基に作成した提言案や質問を大学各部署に提出し、それを元に教職員の方にヒアリングを行うものです。キャンパスミーティングを行うことにより、より現実的で実効性のある提言案を作成することができます。今回ご協力頂いた部署は以下の通りです。

 

学務部学生支援課         …… 本学学生生活全般について

学務部教務課           …… 本学教務サービスについて

施設運営部施設安全企画課,

すずかけ台地区事務部総務課,学務課…… 本学施設サービスについて

総務部評価・広報課        …… 本学広報活動について

研究推進部情報図書館課      …… 本学図書館について

東京工業大学生協本部       …… 本学生協について

研究推進部研究企画課       …… 本学研究資金について

留学生センター,

国際部留学生交流課,国際事業課  …… 本学外国語教育、留学について

 

公表および報告

本報告書は本学学長に20113月に提出後、調査結果をインターネットの専用サイト、および冊子形式において公表されます。


 

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