
■理工系学生能力発見・開発プロジェクト ,第91回日本生化学会大会に参加
日程:2018年9月24日(月)~26日(水)
場所:国立京都国際会館
参加学生:1名
【学会見学プログラム報告】
◆参加学生
所属/学年:生命理工学院生命理工学系/学士課程2年
◆参加学会
第91回日本生化学会大会
◆今回の学会に参加した目的と、学会を見学しての全体的な印象について
興味のある生命理工学分野の最先端の研究にふれるために今回の学会に参加した。来年度の後期には研究室に配属される予定なの
で、さまざまな研究にふれることで、自分の興味の湧く研究内容を探したかった。
さまざまな研究分野の方たちが、ポスター発表のときだけでなく、休み時間にもお互いの研究内容について意見交換している様子
を見て、このような自由闊達な対話により新たな何かが生まれることを実感できた。
◆見学したセッション等の内容について
〇シンポジウム:クロマチンの動態と調節を新技術で捉える試み
このシンポジウムのうち、「DNA修復機構の微細構造動態」という発表を聞いた。3D-SIMという顕微鏡で観察することで、より鮮
明に観察できることがわかった。
〇特別講演1:微生物創薬に関わって半世紀
ノーベル賞を受賞された大村智先生の特別講演を聞いた。最後に、心得として「健康管理、研究推進、一期一会」という3つの言葉
を挙げており、人と人とのつながりを大切にしたいと思った。
〇Journal of Biochemistry ランチョンワークショップ
JBの歴史と現状、JBと学術出版、研究成果を論文に仕上げるまでのポイントについて、3人のパネリストによるシンポジウム形式で
の発表を聞いた。将来、論文を雑誌に投稿することがあれば参考にしたい。
〇柿内三郎記念賞受賞講演:ゲノム機能を制御するエピジェネティクスの構造・生化学基盤
第13回柿内三郎記念賞を受賞された胡桃坂先生の講演を聞いた。エピジェネティクスには興味があるが、わからない用語が繰り返し
出てきて、難しかった。
〇シンポジウム:留学のすゝめ2018
日本人研究者が世界で活躍するためのプラットフォーム構築に向けて留学の現状や、留学中の研究者への支援について知ることがで
きた。
〇シンポジウム:アカデミア創薬の過去、現在、そして未来
日本におけるアカデミア創薬の現状について、産業界からの視点や、研究内容を知ることができた。大学と企業とが対等な関係に立
って、連携をとる必要があることがわかった。
〇特別講演2:睡眠覚醒の謎に挑む
睡眠については、自分が興味のある内容のひとつなので、大変興味深かった。いまだに不明点が多く、今後が楽しみだ。
〇男女共同参画ランチョンワークショップ:博士号ホルダーのキャリアパスの多様性
博士号の取得について考える良い機会となった。この講演をきっかけに、リバネスというベンチャー企業に興味をもった。
〇シンポジウム:研究倫理教育を考える
教授の参加者が多く、研究倫理についてしっかり考えている方が多いのだなと感じた。
〇シンポジウム:網膜科学がつなぐ生化学と感覚生理機能
このシンポジウムのうち、「中波長領域感受性の錐体型光受容タンパク質の発現制御メカニズム」という発表を聞いた。さまざまな
実験結果が示され、説明に追いつくのが困難だった。
〇口頭発表:クロマチンにおける転写機構に関する解析
クロマチン上での転写機構を解析していた。転写の仕組みは本当に不思議だなと感じた。
〇シンポジウム:複雑なシステムを構築する原理の解明に向かっての挑戦
このシンポジウムのうち、「血管系構築を可能にする細胞動態と遺伝子転写制御の連携機構」「真核生物における転写システムの複雑
さの確立におけるTATAボックス結合因子の先導的役割」という発表を聞いた。前者は、血管系構築における細胞動態について数式を用
いて研究していた。後者の発表内容は理解するのが難しかった。研究においては、想像力に加え、抽出力が大切だと言っていた。
〇特別講演3:小胞体の機能と制御のダイナミクス
さまざまな遺伝子の名称が出てきて、理解が追い付かなくなってしまった。
〇ポスター/新領域・新技術/:生理活性物質・食品科学
「オウバク成分は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)改善に関与するか?」という発表を聞いた。オウバクよりは、ベルベリンの
方がNAFLDを改善するとのことだった。発表を聞いた後、直接質問をすることができてよかった。このほかにも、さまざまなポスター
展示を見学した。
〇シンポジウム:ゲノム編集の進展と医学生物学分野での応用
さまざまなゲノム編集技術が紹介されていて、とても興味深かった。生命理工学分野の発展の速さを感じた。
◆今回の学会見学が、あなたの理数(理工)系の能力開発にどのように影響しましたか
専門分野のシンポジウムをいくつか聴いたが、導入部分は理解できても、だんだんと追いつかなってしまうことが多く、自分の勉強不足
を痛感した。しかし、昨年度よりはいくらか理解できた。
また、学生実験で行った手法が実際に使われており、現在の普段の学習が将来の研究活動につながることを感じた。
そして、ランチョンワークショップや留学に関するシンポジウムに参加したことにより、自分の将来について考えるよいきっかけとなっ
た。一人で自分とじっくり向き合う時間は日常生活ではなかなかとれないので、改めて自分の進路について真剣に考えられた。
◆学会見学プログラムについて、反省点や今後への提案
このような貴重な機会をいただけて、本当に感謝している。開催時期や開催場所による制約が少なくなれば、より個人の見学したい学会
を見学しやすくなるかもしれない。
◆今回の学会見学での成長についての自己評価
1.全く変わらない 2.少し成長した 3.まずまず成長した 4.とても成長した
a.) 学習(研究)に対する意欲 | [ 4 ] |
b.) プレゼンテーション力・質問力 | [ 2 ] |
c.) 理工系分野の専門性 | [ 4 ] |
d.) 国際性 | [ 3 ] |
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